医療情報,電波情報など信号を解析する際には,
時間領域と周波数領域両方を使用して解析することが多い。
ここではサンプリング周波数と基本周波数について説明する。
データを取得する際、ディジタルデータはある一定の間隔で取得される。
その一定の間隔をサンプリング周期といい、その逆数をサンプリング周波数と呼ぶ。
サンプリング周波数が250Hzのとき、
離散間隔(サンプリング周期) は、
1/250=0.004 sec =4 x 10-3 sec =4 msec
となり, 4 msecごとにデータは取得される。
図で表すと下図のようになる。
* | * * * | * * * * * |____|____|____|____|___| 0 4 8 12 16 20 [msec]
時間領域上でサンプリング周期を短くしていけばいくほど、
周波数領域上で見れる周波数帯が広がるということに注目してください。
時間データを周波数変換し、周波数領域にしたとき、
サンプリング周波数が250Hzならば、1/2の125Hzまでが観測できる最大の周波数となります。
これをナイキストのサンプリング定理と呼びます。
サンプリング周波数を全データ数で割ったものは、
基本周波数(周波数間隔)になります。
例えば全データ数N=250のとき、
基本周波数は、
(サンプリング周波数/全データ数) = 250 / 250 = 1 Hz
となり、
周波数グラフは基本周波数の整数倍でプロットされます。
図で表すと下図になります。
1Hzの正弦波を周波数変換すると1にスペクトルが立ちます。
dB | * | * |____|____|____|____|____| 0 1 2 3 4 5 [Hz]
これが全データ数N=1ですと
dB | | |____|____|____|____|____| 0 250 500 750 1000 1250 [Hz]
なってしまい1Hzの正弦波を周波数変換してもスペクトルを観測することはできません。
つまり、
観測できるかどうかはサンプリング周波数に依存し、
そのスペクトルの波形がどのような形であるかは、基本周波数に依存するのです。
上記は、FFTにどのくらいのデータ数を与えてやるかを考えたりするときに必要です。
たとえば、サンプリング周波数250Hzで512点FFTをするならば、
観測できる基本周波数は、
250/512=0.4883Hz
となりことから例えば1Hzの正弦波ならば観測できることが分かります。