近似とテーラー展開

近似

今、x=aのときの関数値f(a)が求められるとするとき、
変数がaからわずかに違う x=a+\Delta xになったときの
f(a+\Delta x)は?

 f(a+\Delta x) \approx f(a)+ (\frac{df(a)}{dx})\Delta x

( f(a)が分かっているときf(a)と f(a+\Delta x)を結ぶ直線をaにおける曲線の接線と等しいとみなす。)

(例題)

1辺10cmの立方体が熱されて1辺が1mm伸びたときその体積は?

 y=x^3

10^3 = 1000 \rm{cm}^3

a=10 \Delta x = 0.1

○近似式で解く

 \frac{dy}{dx} = 3x^2

 y(10.1) = 1000 + 3(10)^2 \times 0.1 = 1030 \rm{cm}^3

○正確な値は

 10.1^3 = 1030.301 \rm{cm}^3

○誤差率は

 \sigma = \frac{ 1030.301 - 1030 }{1030.301} = 0.029%

テーラー展開

ある曲線は、近似を1次(直線),2次(曲線),3次...というように
無限個の近似曲線の集合によって、もとの曲線に近づけることができる。
これをテーラー展開という。

 f(a+x) = f(a) + \frac{f'(a)}{1!}x  + \frac{f''(a)}{2!}x^2  + \frac{f'''(a)}{3!}x^3 + \cdots

 = f(a) +\sum^{\infty}_{n=1}\frac{f^{n}(a)x^{n}}{n!}

○例

 e^x = 1+x+\frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!} + \cdots
 \log(1+x) = x -  \frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!}- \frac{x^4}{4!} +\cdots